すももを庭に植えると後悔する?失敗しない品種選びと手入れのコツを解説

  • URLをコピーしました!

「庭ですももを収穫して、もぎたての甘酸っぱさを味わいたい」という憧れを持つ方は多いですよね。

でも、いざ苗木を買おうと調べると、ネット上で「すもも 庭に植えてはいけない」という不穏な言葉を目にして、不安になっていませんか?たしかに、何も知らずに植えてしまうと、数年後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔するポイントがいくつかあるのは事実です。

すももはバラ科の植物ということもあり、意外と虫がつきやすかったり、予想を超えるスピードで大きくなったりと、家庭菜園ならではの苦労がつきまといます。とはいえ、その特性さえしっかり理解して対策しておけば、庭植えで真っ赤に熟した実を楽しむことは十分に可能です。この記事では、なぜ植えてはいけないと言われるのか、その理由と失敗しないための具体的な工夫をお話ししますね。

目次

すももを庭に植えると後悔する?

すももの木は、春には桜に似た可愛らしい白い花を咲かせ、夏には美味しい実をつけてくれます。それなのに「植えてはいけない」とまで言われるのは、育てる過程で見えてくる「木としての強すぎる性質」や、周囲への影響が無視できないからです。まずは、実際に植えた人がどんなところで「失敗した!」と感じやすいのか、その具体的な理由を見ていきましょう。

毛虫やアブラムシが大量発生する

まず覚悟しておかなければならないのが、虫との戦いです。すももは美味しい実がなるだけでなく、実は虫たちにとっても非常に魅力的な木なんですよね。特に春先から初夏にかけては、新芽にアブラムシがびっしりとついたり、葉を食べる毛虫が大量に発生したりすることが珍しくありません。

放っておくと、せっかくの葉がボロボロになるだけでなく、見た目にもかなりショッキングな状態になってしまいます。ベニカXネクストスプレーのような市販の殺虫剤で対処できますが、「無農薬で完全に放置して育てたい」と考えている方にとっては、この虫の多さが最大のハードルになるはずです。正直なところ、全くの手ぶらで挑むのは少し厳しいかもしれません。

成長が早すぎてあっという間に巨大化する

すももの成長スピードは、皆さんが想像しているよりもずっと早いです。買ってきたときは小さな苗木でも、地植えにすると2〜3年で一気に背丈を超え、放っておくと4メートルや5メートルといった大木にまで成長してしまいます。広いお庭なら良いのですが、一般的な住宅街の庭だと、気づいたときには手に負えないサイズになっていることも多いんです。

「実を収穫したいのに、高すぎて手が届かない」なんて状況になったら本末転倒ですよね。また、大きくなりすぎると影ができて他のお花が育たなくなったり、お隣の敷地まで枝が伸びてしまったりと、ご近所トラブルの種にもなりかねません。コンパクトに保つためには、毎年の計画的なカットが欠かせないというわけです。

熟して落ちた実の片付けに追われる

すももは一度にたくさんの実をつけますが、完熟すると一気に地面へ落ちてしまいます。この「落果」の片付けが、意外と重労働なんですよね。地面に落ちた実を放置しておくと、甘い香りに誘われてハエやハチが集まってきますし、実が腐ると嫌なニオイの原因にもなってしまいます。

また、落ちた実が地面で潰れると、お庭が汚れてしまうのも悩みどころです。毎日こまめに拾える心の余裕があれば良いのですが、忙しい時期に重なると「もう植えなきゃよかった」と感じる瞬間があるかもしれません。収穫時期には毎日木の下をチェックする習慣が必要になります。

「家運が下がる」という言い伝えを気にする人もいる

これは科学的な根拠がある話ではありませんが、昔から「庭に実のなる木を植えると家運が下がる」といった迷信を耳にすることがあります。特にすももや梅などのバラ科の木は、成長が早くて家を隠してしまうことや、手入れが大変なことから、縁起が悪いとされることがあったようです。

もちろん、現代でこれを真に受ける必要はありませんが、ご親戚や近所の方にそういった古い考えを持つ方がいると、何かと言われて嫌な思いをすることもあるかもしれません。自分たちが「美味しい実を楽しみたい!」と割り切れるかどうかが大切ですが、もし周囲の目が気になるのであれば、事前に知っておいたほうが良いポイントですね。

虫や病気の被害を最小限に抑えるには?

「虫が嫌だから諦める」というのは少しもったいない気がします。すももを健やかに育てるためには、被害が出る前に手を打つ「予防」の考え方がとても重要です。病害虫の種類を知って、適切なタイミングでアクションを起こせば、お庭の平和を守りながら収穫まで漕ぎ着けることができますよ。

葉を丸めるアブラムシは早めに退治する

春先に新芽が出てくると、どこからともなくアブラムシがやってきます。すももにつくアブラムシは、葉を内側に丸めてその中に隠れる性質があるため、一度丸まってしまうと薬剤が届きにくくなって厄介なんですよね。見た目も縮れたようになってしまい、木の元気がなくなってしまいます。

見つけたらすぐに、住友化学園芸のベニカXファインスプレーなどを散布して、初期段階で叩いておくのがコツです。まだ葉が丸まっていない時期に、葉の裏までしっかり薬をかけてあげましょう。この一手間だけで、その後の被害がグッと抑えられます。

果実を食い荒らすシンクイムシの対策を徹底する

せっかく実が大きくなってきたのに、中を割ってみたら虫がいた……なんて経験ほど悲しいものはありません。これは「シンクイムシ」という蛾の幼虫の仕業です。彼らは実の中に潜り込んで食べてしまうので、外から見ても気づきにくいのが本当に困りものですよね。

対策としては、実がまだ小さいうちに「果実袋」を被せて物理的にガードするのが一番確実です。ホームセンターなどで売っている専用の袋を一枚ずつ被せる作業は少し大変ですが、これをやるだけで虫食いのリスクは劇的に減ります。収穫の喜びを確実なものにするための、愛情深い作業だと思って取り組んでみてください。

風通しを良くして「灰星病」を防ぐ

すももの大敵といえば、実が腐ってしまう「灰星病(はいぼしびょう)」です。雨が多い時期に発生しやすく、茶色いカビのようなものが実に広がって、最終的にはミイラのように干からびてしまいます。これはカビの一種なので、湿気がこもると一気に広がってしまうんです。

これを防ぐには、冬の間の剪定で枝をすいておくことが何より大切。枝が込み合っていると風が通りにくくなり、湿気が溜まって病気の温床になってしまいます。また、落ちた葉や腐った実を地面に残さないように掃除することも、翌年の発生を抑える重要なポイントになります。

せっかく植えても実がならない?栽培の落とし穴

「花は咲くのに、なぜか実がひとつもつかない」というお悩みもよく聞きます。実はすももには、他の果樹とは少し違った受粉のルールがあるんです。このルールを知らずに1本だけポツンと植えてしまうと、何年経っても「花を見るだけ」の木になってしまうかもしれません。

異なる品種を2本植えないと受粉しない

すももの多くは、自分の花粉では実がつかない「自家不結実性」という性質を持っています。つまり、同じ品種の木がいくら近くにあってもダメで、別の品種の花粉が必要なんです。例えば、人気のある大石早生(おおいしわせ)を植えるなら、相性の良いソルダムを隣に植えるといった具合です。

1本だけで実をつけたい場合は、後ほど紹介する「1本でも実がなる品種」を慎重に選ぶ必要があります。「すももなら何でもいいや」と適当に苗を買ってしまうと、受粉樹を後から買い足す羽目になり、お庭のスペースをさらに圧迫してしまうことにもなりかねません。

開花時期がズレて受粉に失敗する

2つの品種を植えたとしても、それぞれの花が咲くタイミングがズレてしまうと受粉は成立しません。すももは桜よりも少し早く咲くことが多いのですが、品種によって1週間程度の差が出ることがあります。片方の花が散ったあとに、もう片方が咲き始めても、花粉を運んでくれる虫たちは手持ち無沙汰になってしまいますよね。

これを避けるには、あらかじめ開花時期が重なることがわかっている組み合わせを選ぶのが鉄則です。苗木のラベルを確認したり、お店の方に「この2つを一緒に植えて受粉しますか?」と確認したりするのが確実です。自然任せにするのではなく、ペアリングをしっかり考えるのが成功への近道ですよ。

梅雨の長雨で実が割れて腐ってしまう

無事に受粉して実が大きくなってきても、最後の収穫直前で「実割れ」というトラブルが起きることがあります。収穫間際のデリケートな時期に大雨が降ると、木が急激に水分を吸い上げ、実の皮がそのスピードに耐えきれずパックリと割れてしまうんです。

割れた部分からは雑菌が入りやすく、そこから一気に腐敗が進んでしまいます。こればかりは天候次第なところもありますが、鉢植えであれば雨の当たらない場所に移動させたり、地植えなら地面にマルチング(敷きわらなど)をして急激な水分の変化を防いだりする工夫が有効です。

庭植えで失敗しないための管理のポイント

すももを「植えてはいけない木」にしないためには、飼い主……ならぬ「育て主」が主導権を握ることが大切です。植物の勢いに任せるのではなく、人間の都合に合わせてコントロールしてあげる工夫をいくつかご紹介します。これさえ守れば、管理の負担は驚くほど軽くなりますよ。

毎年欠かさず冬と夏に剪定をおこなう

すもも管理の要は、何といっても剪定(せんてい)です。冬には不要な太い枝を落として全体の骨組みを整え、夏には伸びすぎた勢いの強い枝を止めて、日光が木の中心まで届くようにします。これをサボると、前述したようにあっという間に巨大化して、ジャングルのようになってしまいます。

「どこを切ればいいかわからない」と怖がる必要はありません。まずは真上に勢いよく伸びている枝(徒長枝)を根元から切るだけでも、木を低く保つ効果があります。毎年少しずつハサミを入れていれば、木もそれに応えて、低い位置に美味しい実をつけてくれるようになりますよ。

隣の家との境界線から離して植える

地植えにする場合は、植える場所に最新の注意を払ってください。苗木が小さいときは想像しにくいですが、枝は横にも大きく広がります。隣家との境界線ギリギリに植えるのだけは絶対に避けましょう。枝がお隣に入り込んでしまったり、落ち葉や実がお隣の敷地を汚したりすると、せっかくの収穫も気まずいものになってしまいます。

理想を言えば、境界線から少なくとも2〜3メートルは離して植えたいところです。もしスペースが限られているなら、最初から地植えを諦めて、大きさを制限できる「鉢植え」で育てるというのも賢い選択です。お互いに気持ちよく過ごせる距離感を保つことが、家庭菜園を長く楽しむ秘訣ですね。

薬剤散布をスケジュールに組み込む

虫が出てから慌てて薬を撒くよりも、発生しやすい時期にあらかじめ予防として散布しておくほうが、結果的に使う薬の量を減らせることがあります。例えば、冬の間に石灰硫黄合剤などを散布しておくと、枝に潜んでいる越冬害虫や病原菌を減らすことができます。

「薬はできるだけ使いたくない」という気持ちもわかりますが、すももの場合は完全無農薬だと、収穫できる実がゼロになってしまうリスクも高いです。カレンダーに「この時期はアブラムシ注意」といったメモを書いておき、最小限の回数で効果的に防除する習慣をつけると、管理がグッと楽になります。

初心者でも扱いやすいすももの選び方

最後に、これからすももを植えたいと考えている方へ、失敗の少ない品種の選び方をお伝えします。お庭の条件や、自分がどれだけ手間をかけられるかに合わせて最適な1本を選べば、すもも栽培はもっと身近で楽しいものになりますよ。

1本でも実がつく「自家結実性」のある品種を選ぶ

お庭に2本も木を植えるスペースがない!という方は、絶対に「自家結実性」のある品種を選んでください。これなら1本植えるだけで、自分の花粉で実をつけることができます。受粉の相性を心配する必要がないのは、初心者にとって大きなメリットですよね。

代表的な品種をいくつかテーブルにまとめました。自分の好みに合うものを探してみてください。

品種名特徴自家結実性
サンタローザ香りが良く、甘みと酸味のバランスが抜群。あり(1本でなる)
メスレー小ぶりだが非常に甘く、豊産性。育てやすい。あり(強め)
ビューティー果肉が赤く、ジューシー。開花が早い。あり
バイオチェリーアメリカンチェリーのような風味。1本で結実。あり

これらの品種を選べば、受粉樹を用意する手間が省けるだけでなく、限られたスペースを有効に使うことができます。特に「メスレー」や「サンタローザ」は昔からの定番で、家庭果樹として非常に人気があります。

狭いスペースなら鉢植えでコンパクトに育てる

もし巨大化が心配なら、あえて地植えにせず鉢植えで育てるのもひとつの手です。鉢という限られた空間で育てることで、根の広がりが制限され、木の成長を自然に抑えることができます。これならベランダやテラスでも栽培が可能ですし、移動ができるので雨避け対策もしやすいですよ。

鉢植えにする場合は、10号(直径30cm)以上の大きめの鉢を用意し、果樹用の土を使って植え付けます。水やりの手間は増えますが、その分、目の届く範囲でじっくりとお世話ができるので、変化に気づきやすく失敗も少なくなります。地植えにする勇気がまだ出ないという方は、まずは鉢植えからスタートしてみるのが一番のおすすめです。

まとめ:すもも栽培の魅力を最大限に引き出すために

すももを庭に植えてはいけないと言われる背景には、虫の発生や急激な成長、そして受粉の難しさといった、生き物としてのパワフルな性質がありました。たしかに放置して育つほど甘い木ではありませんが、品種選びを間違えず、毎年の剪定を欠かさなければ、これほど収穫の喜びが大きい果樹も他にありません。

自分の手で育て、樹上で完熟させた真っ赤なすももの味は、スーパーで買うものとは比較にならないほど濃厚でジューシーです。今回ご紹介した注意点をひとつずつクリアしていけば、きっとあなたのお庭でも最高の収穫期を迎えられるはずですよ。まずは自分に合った1本を見つけるところから、素敵なすももライフを始めてみませんか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次